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10.19 本当の伝説は第一試合に

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伝説は第一試合にあり


10月19日のことを『じゅってんいちきゅう』とつい言ってしまうのは、間違いなく近鉄ファンの方だと思いますが、普段は閑古鳥なく川崎球場で、あの試合が行われたのは1988年ですから、もう30年以上も前の事なんですよね。

それでも今もなお語り継がれてますし、在阪パ・リーグの弱小球団だった近鉄バファローズの名前が一気に全国に広がった、まさに記念すべき伝説のダブルヘッダーでした。

でも、だいたいどんな番組でも取り上げられるのは、引き分けで終わって優勝を逃したダブルヘッダー第2試合なんですけど、私は今でも第一試合こそが名勝負だったと思っています。

連勝するしか優勝の道はなかった近鉄ですが、ダブルヘッダーというのは第一試合は9回で試合は打ち切りというルールがあり、引き分けすら許されない近鉄にとって、第一試合こそが本当の勝負所でした。

前日のロッテ戦が12対2と大勝したこともあり、対戦成績もここまで17勝5敗2分けと圧倒してたので、第一試合さえ勝てば優勝出来るやろと思う中、試合が始まりました。

第一試合の先発は小野


近鉄の先発は中3日で左腕の小野、一方ロッテは近鉄キラーの小川という好投手の先発で試合が始まりましたが、いきなり小野投手は2塁に西村を置き、3番愛甲に2ランホームランを浴びるまさかの展開。

早く追いつきたい近鉄は、焦りもあり小川の前の4回までノーヒットに抑えられていましたが、5回ようやく6番鈴木貴久選手がライナーでレフトスタンドへ放り込む20号ソロホームランで、ようやく1点を返します。

次の1点がどちらに入るのかで、試合の流れが大きく変わると思われた7回裏、疲れの見え始めた小野投手に対してロッテは2死1、3塁から、佐藤健一の打球はセンターの前へ飛び、センター鈴木貴久選手が懸命にダイビングするも届かず、1-3と逆にリードを広げられてしまったのでした。

勝つしかない近鉄 2点を追う8回表


残すイニングはわずかに2回で、引き分けの許されない近鉄は3点取らなければ優勝がなくなる8回表、1死後鈴木貴久選手がきょう2本目のヒットをライト前へ放つと、続く加藤正樹選手が四球を選び1死1、2塁で仰木監督が告げた代打はムードメーカーで一発の魅力のある村上選手。

ここで、あわやホームランかと高々と舞い上がった打球は、川崎球場の高い金網には阻まれましたが、その間に2者がホームへ還る代打同点タイムリー2塁打で、ここからベンチもスタンドも熱狂度が増していきました。

しかし引き分けではダメな近鉄は、2死満塁まで攻め立てバッターはブライアント選手でしたが、小川の前に空振りの三振で残るイニングは1回のみとなってしまいました。

同点で迎えた8回裏は、まだ背番号が36だった来季から千葉ロッテの監督になる吉井投手がマウンドに上がり得点を許さず、同点のまま後のない最後イニングの攻撃に入る近鉄。

3-3で迎えた9回表 近鉄最後の攻撃


先頭の4番オグリビー選手が平凡な遊撃ゴロに打ち取られ1死となり追い詰められる近鉄でしたが、5番淡口選手の打球はライナーで右中間へ飛び、勝ち越しホームランかと思われましたが、ここでも川崎球場の高い金網に阻まれ2塁打となり、2塁塁上で悔しがる淡口選手。

ここで、仰木監督は2塁走者を引退後は審判員で活躍された佐藤純一選手を代走に送り、ロッテは守護神牛島を投入しますが、近鉄はこれまでホームランを含む2安打の鈴木貴久選手。

ここで、鈴木貴久選手は痛烈な当たりのライト前ヒットを放ちますが、ライトからの返球に2塁走者佐藤純一選手は三本間に挟まれ無念のタッチアウト。

タッチアウトになってしまった佐藤純一選手の表情は今でも忘れられませんし、正直、終わったなと思った瞬間でもありました。

しかし、三本間で挟まれる間に打った鈴木貴久選手が2塁に進み、2死2塁で代打に告げられたのは、この年での引退を決めていた梨田選手でした。

梨田選手の打った打球はセンター前で弾み、2塁走者の鈴木貴久選手が三塁を蹴り、センターからの返球を交わしながら、転がり込むようにホームへ還り、9回2死から優勝への望みを繋ぐ勝ち越し点を奪いました。

ホームインした鈴木貴久選手と中西太ヘッドコーチが抱き合い、石本投手が鈴木貴久選手の手をスタンドに向けて高々と上げてベンチへ帰る姿、梨田選手のプロ初のガッツポーズ、スタンドはもちろん熱狂していましたが、こんなにプロ野球の選手が狂喜乱舞しているのは初めて見ました。

9回裏のマウンドへ 吉井からエース阿波野が


1点を9回2死からもぎ取りリードはしましたが、9回裏を抑えなければ優勝はありません。

9回裏のマウンドにも吉井投手が上がりますが、際どい球をボールに判定されて思わず審判に詰め寄るほど熱くなってしまい、抑えの利かなくなった吉井投手に代えてマウンドに上がったのは、2日前に完投しているエースの阿波野投手。

無死1塁で代打山本功児の当たりは2塁前の緩いゴロとなり、1塁走者丸山と二塁手の大石選手が交錯し、判定は守備妨害で1死1塁。

西村を三振に打ち取り2死1塁とあと一人までこぎつけますが、ここで佐藤健一に当たりはレフト線へ転がり、クッションボールを誤れば一気にホームまでという当たりでしたが、レフト新井選手が上手く捌き2死2、3塁。

ここで、3番愛甲に対して2ストライクと追い込みながら、なんと死球で2死満塁の大ピンチ。

フォアボールも、デッドボールも、ワイルドピッチも、パスボールも、エラーもどれも許されない絶体絶命の場面。

しかしエース阿波野はこの大ピンチで、打者森田を簡単に2ストライクと追い込み空振りの三振を奪い、優勝へあと1勝となりました。

優勝へあと一勝 第二試合へ


私はこの試合の8回、9回の戦いこそ名勝負としてもっと伝えられて欲しいと思います。そして試合終了後23分後に10.19の第二試合が始まるのでした。

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きょうのポンタ監督のおやつは、ローソンの「レーズンバターバゲット」です。


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